《保険のセールストークの罠》ボーナス付き保険はお得なのか?

 保険のCMで、「5年間健康だったら3万円のボーナスがあります」などの保険のボーナスの話を聞いたことがありませんか?

 近年流行っている医療保険は、基本的に掛け捨てタイプのものなので、加入者は健康であればただただ保険料を支払っていくだけです。

 世間には「保険の掛け捨て」=「もったいない」というようなイメージがあるため、そのイメージを払拭して医療保険に加入してもらうために保険会社が考えたのが「ボーナス付き保険(お祝い金)」です。

 

◆ボーナス付き保険(健康ボーナス、お祝い金)とは?

 ボーナス付き保険とは、医療保険などで保険加入期間中に5年や10年の一定の期間ごとに5万円や10万円などとお金がもらえる保険のことです。

 中には医療保険などで保険加入期間中の一定の期間内、健康で病院にかかることがなく、医療保険の保険金の給付を受けなかった場合にしかもらえないものもあります。


◆ボーナス付き保険はお得なのか?

 「医療保険は基本的に掛け捨てだから、定期的にお金がもらえるなんてお得!」と思うかもしれませんが、実際はそんなことありません。同じ保障内容の保険で、ボーナスがあるものと無いもので比べてみるとわかります。

 入院日額5,000円の保障で、とある保険で比べてみました。

・タイプ1 ボーナス付き保険
 5年毎に5万円の祝い金 
 保険料 2,300円/月

・タイプ2 ボーナス無し保険
 保険料 1,445円/月

 タイプ1の場合は、5年間で支払う保険料は138,000円です。5年でボーナスが5万円もらえるので、実質の支払額は88,000円。一方タイプ2の場合は、5年間で支払う保険料は86,700円です。 

 結局、トータルで考えるとボーナス無し保険の方が5年間で1,300円お得です。

 すべての商品がこういうわけではないと思いますが、ボーナスという言葉につられないで、一度冷静に同じ保障内容のものでボーナス有りとボーナス無しで比較してみると良いでしょう。

 

◆健康ボーナスの場合

 ボーナスの中には、「5年間健康で保険料を請求しなかったら10万円」というようなボーナスもあります。これは、「保険料を請求しなかったら」というのが曲者です。

 例えば、あと1ヶ月で5年が過ぎて10万円がもらえるというときに、病気になって入院してしまった場合に、保険金を請求するかどうか悩むと思います。

 保障が入院日額5,000円だとして10日間入院したなら、受け取れる保険金は5万円ですが、保険金の申請をしなければ10万円がボーナスとしてもらえます。だったら保険金の申請はしないですよね。

 しかし、先ほど比較したように、ボーナスといっても自分が払っている保険料から支払われるわけです。保険会社が利益を削って払ってくれるわけではなく、最初からお金を集めて、後で返してくれるだけです。

 自分のお金をボーナスとして受け取るために、保険金の請求を我慢するなんて、なんだかおかしな感じがしませんか?

 

◆ボーナス付き保険は有りか?

 個人的には無しだと思います。結局は、ボーナス分高い保険料を支払うことになるので、ボーナスをあてにしないで、その分シンプルな保険料の安い保険に加入して、余ったお金を貯金した方が良いです。

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